特別支援級では学びを取り上げられるのか?

支援級に通う子の親御さんの努力は気力体力ともに何倍もの圧力がのしかかってくる

1年間構築してきた担任との信頼関係や進めてきたカリキュラムようやく子も親も学校も同じ方向を向いてきたと喜ぶ学期末の3月。
しかしながら迎える4月の新学年は引継ぎの不足や新担任の教育哲学とご家族とのすり合わせなど、また1からのスタートになります。支援級に通う子の親御さんの努力は気力体力ともに何倍もの圧力がのしかかってくると毎年目の当たりにします。

教科書・ドリル・宿題をもらえない?

足し算引き算に進み、50音はもちろん漢字も筆圧もよく枠の中に合わせてとても綺麗に丁寧に書けるようになったお子様が新学年になり
ノートは真っ白、教科書はない、持ち帰るプリントは迷路や運筆(幼児レベル) であれば親御さんはたちまち不安の底に落とされる事は言うまでもありません。

反論されると人は誰でも卑屈になる

『宿題がこのプリントになる理由を教えてください』との問いかけに
【障害を持つお子様はグルグルのこの運筆プリントがいいのです
私はこういうお子さんをたくさん見てきています。】
と言われて算数・国語の宿題プリントは却下された事がありました。
その子を思う教師と親が反論しあいそこからは何も生まれず
豊かな環境どころか卑屈な精神が膨れ上がっていくようでした。

運筆について

ひらがなの前に学ぶ「運筆」やり方はプリントなど机に座らせてなぞり書きやお絵描きになります。初めての筆記用具を使っての微細な手先の運動は大変難しく誰でもまずは腕全体を使って書きます。手先を使う微細運動の練習だけでは効果は低いのです。合わせて同じように取り組んでほしいことは粗大な運動での腕の筋肉をつける事と大きな体の動かしでのコントロール・調整ができる事です。子たちの外遊びの重要性がここでつながります。木にぶら下がったりやボールを投げたり、下肢のバランスも発達させなければ座って集中する体幹も保つのは難しいです。まずは下肢を鍛える歩く、走る、体力です。続いて上肢のダイナミックな運動です。そこでようやく大きな紙に握りやすいクレヨンで体を使ってのお絵描きです。
私が幼児のお子様に必ず聞くことがあります。「赤ちゃんの時にどれ位ハイハイをしたか?」です。最近はベビーカーやラックが進化しハイハイが少ない子もいます。この質問が全てではありませんがハイハイをしっかりした子は腕や上肢の筋肉が発達していると推測できるからです。赤ちゃんの時のハイハイもしかり、その後どれだけ歩いたか、外遊びをしたのかを重要視しています。

障害の言葉を見るんじゃなくてその子を見るんだ

障害を持つ子は運筆のプリントが良い。
おっしゃる通りです。
だけど、その段階はとっくに過ぎている子たちにいつまでさせるのか?
教育者の見極めが必要です。
四角い枠にバランスの取れた文字がしっかりした筆圧でかけているのであれば
グルグルは卒業です。
各数の多い【金】や【森】などを目安になさるといいと思います。

悪くはないけど今に必要な事なのか?

永久に運筆プリントをしていても悪くはありません。
ですが児童期に獲得してほしい学びは山のようにある中で
それが今その目の前のお子様に一番必要なことなのかを考える教育者でありたい
そう思っています。
じっとその子だけをじっと見つめていると
見えてくるものがあります。
魔法のように一瞬でその子を伸ばしたいと思いますが
未熟な私はあれやこれやと試行錯誤の繰り返しで
ようやく1つその子に合うものを見つけるくらいの事しか
出来ません。だけどその子の成長発達を間近で見れる喜びは
本当に幸せです。

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